ルチルとは

 航空宇宙産業などに使われるチタンの鉱石鉱物でTiO2の化学組成を持ちます。ナイフの刃よりも硬く、水晶よりも柔らかい硬度、ダイアモンドを上回る屈折率、水の4倍の密度などの性質があります。
 ペグマタイト、熱水脈、変成岩、超塩基性岩に産し、海岸の砂利などの堆積物の中にも残ります。結晶はダイアモンド光沢をしめし黒から褐色で透明感がありますが、石英中に針状黄金色で生じることが多く、写真はすべて針状のものです。
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典型的な水晶中のルチル。裏側には赤鉄鉱がある。

 

 

針が平行に並んで板状になったルチル。整った反射光をはなつ。

ルチルとその周辺

 水晶中のルチルの基部には赤鉄鉱の結晶が存在することがあり、針状のルチルが赤鉄鉱から生えているようにみえます。赤鉄鉱とルチルを水晶が覆っていることから、はじめに晶出した赤鉄鉱を足場にルチルが成長し、最後にこれらを取り込む形で水晶が現れたことがわかります。
 ルチルは非肉眼的な大きさで他の鉱物の中に生じることがあり、 針状の結晶が規則正しく並ぶことによって、スター効果(アステリズム)を起こします。

地研とルチル

 地研のなかでルチルの人気が特に高いという話はありません。ここの写真はすべて個人のものです。(すべて同じ標本屋から購入したものでもあります。)
 私にとってルチル(ルチレイテッド・クオーツ)は買っても買っても飽き足らない鉱物で、結晶の色合いや配列が多様で光線の方向によって輝き方が変わり豊かな表情をもつところが魅力です。
 このページをきっかけに地研にルチルのブームが起こらないかな。

扇状のルチル。まるで天使の梯子が閉じ込められたよう。根元に赤鉄鉱がみえる。水晶の透明度が低いのが残念。
銅色のルチル。立体的な交錯ぐあいが面白い。 赤黒いルチル。細くて鋭い針が縦横にはしる。
やさしい金色のルチル。ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」の髪はこんな色だろうか。 密集したルチル。複雑な幾何関係。日干しされた麦わらの積まれたよう。
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