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[へびつかい座の神話]   天文班トップへ

  へびつかい座のモデルになっているのは、アスクレピオスというギリシャ神話随一の名医です。

  オリンポスの神々の一人であ る太陽神アポロンは、音楽や芸術の神でもありました。そのアポロンは、テッサリア王の娘コロニスを愛し、自分の住む天界と、彼女の住む下界の間の使い役をしていたのが、人間の言葉を話す綺麗な銀毛のカラスです。しかし、このカラスは話を大袈裟に語ったり、嘘をついたりするという困ったカラスでした。
  ある時、コロニスとアルカディアの王子イスキュスが、偶然親しげに話しているのを目にしたカラスは、コロニスが心変わりしたとアポロンに告げ口しました。もちろん、これを聞いてアポロンは非常に怒り、その怒りに任せて、弓でコロニスを射殺してしまいました。しかし、それがカラスの嘘であ ると知ると、カラスから言葉を奪い、銀から黒の姿に変え、からす座として夜空に上げました。
しかし、彼女はアポロンの子供を身篭っていました。その子供をお腹から取り出し、いて座の半人半馬のケイローンに預けました。

  アスクレピオスはケイローンから様々なことを学んでいきますが、彼に最も身についたものは医術でした。その腕はギリシャで最も素晴らしく、右に出るものはいませんでした。そのため、毎日のように病人やけが人が彼を訪ねてきます。それでも彼は嫌な顔をせずに、快く面倒を見て、治していきました。その後、アルゴ船の大遠征にも参加し、仲間達のけがなどを治していきました。

  しかし、その腕のよさがあだとなったのか、自然の理を破ってしまいます。なんと死者までも蘇らせてしまったのです。その話を聞きつけたのか、次々と死者達が運び込まれ、皆生き返らせていきました。
  そこで困ったのが、冥界の王ハデスです。ここ最近、一人も黄泉の国に来なくなってしまったためです。不思議に思って、地上の様子を伺ってみると、アスクレピオスが死者を次から次にと生き返らせていました。
  これには流石に驚き、事の次第を大神ゼウスに訴えました。

「治療をすることは良いとしても、死者を生き返らせるのはやりすぎだ。生死の定めを勝手に変えられてしまっては世が乱れてしまう。」
と、話し合いの結果、ゼウスは雷電によりアスクレピオスを撃ち殺してしまいます。

  しかし、その腕を惜しむ者は数多く、また、ゼウスもその思いは同じでした。加えて、父であるアポロンの必死な願いもあって、アスクレピオスを星座として夜空に上げ、へびつかい座にしました。アスクレピオスは、その後ギリシャ全土で医術の神として崇められ、彼が両腕に持っている大蛇は、古代ギリシャで健康のシンボルと考えられた神聖な生き物だと言われています。この蛇との神話もあるみたいです。

  アスクレピオスがうっかり蛇を殺してしまった時、もう一匹の仲間の蛇が草むらから薬草を持ってきて、死んだ蛇につけたそうです。すると、その蛇はすぐに生き返り、共に去っていきました。その件から、アスクレピオスは薬草の効能を熱心に学んだそうです。蛇が脱皮を繰り返していくのを、再生・健康の象徴として、アスクレピオスと共に星にしたと言われています。また、この蛇との出来事から、薬草学を学んだために死者を生き返らせることが出来たという説もあ ります。

 

[かたち]
英語の星座名でOphiuchusは、「蛇をつかむ人」または「蛇を持つ人」というギリシャ語に由来しています。日本では、星座の多角形の部分を(農作業やごみを集める時に使う、竹を編みこんだもの)の形とみて、岡山県沖ノ島あ たりでは、「讃岐(さぬき)の箕」といっていました。この星座が南の讃岐(香川県)の上空に見えると、七夕が近いと言い伝えられていたそうです。

 α星・・・ラサルハグェ。アラビア名のラス・アル・ハワー(蛇を持つ者の頭)というのから来ている。
 
 β星・・・ケバルライ。アラビア語のカルブ・アル・ライのローマ字音写だそうです。意味は「羊飼いの犬」と言われているそうですが、これは誤りであ って、アラビア語の良く似たつづりの、犬と心臓の混同から生じた誤りで、ただしくは「羊飼いの心臓」を意味しているそうです。
 
 γ星・・・ムリフェン。こいぬ座のγ星と同じ名前です。名前の由来は未だに不明だそうです。
 
 δ星・・・イェド・プリオル。アラビア語のイアド(星)とラテン語のPrior(前のほうの)の結合語で、へびつかい座の手に当たる二つの星の手先に近いほうの位置に当たります。
 
 ε星・・・イェド・ポステリオル。アラビア語のイアド、ラテン語のPosterior(後ろのほうの)の結合語で、δ星と並んでいて、へびつかい座の左手を表しています。意味は後ろのほうの星。

 η星・・・サビク。アラビア語のアル・サビクアサーニ(第二の勝利者)の略語だそうです。ζ星がアル・サビク・アル・アワール(第一の勝利者)に対してつけられた名前だといわれ、それぞれ蛇使いの巨人の両膝に当たる星です。勝利者というのは、巨大さそりを踏みつけて勝ったということに関わっているそうです。

 λ星・・・マルフィク。アラビア語のアル・マルフィクが語源で、「肘」の意味です。

εやξなどが二つあ りますが、それは蛇遣い座と蛇座のそれぞれ星です。重なっているため、画像でも書いてしまいました。また、へびつかい座の足の部分が消えていますが、ηの下のほうに、ξとθ、ζの下のほうに、φ、χ、ωがあ ります。

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