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[こぐま座の神話]上の画像の一番左は竜座、真ん中はこぐま座、一番右はケフェウス座

  月と狩りの女神アルテミスは太陽神アポロンの妹で、夜になると、新月の形の弓と矢筒を携え、森や泉の精のニンフ達をお伴に山や谷を駆け巡って狩りをして歩き、朝には兄のいるデルフォイ山へ帰ってくるという生活でした。
  そのお伴のニンフの中に、アルカディア王の娘のカリストというニンフがいました。カリストは普通の娘達のように身なりを整えることには関心が無く弓矢を手にしていつもアルテミスのお伴をし、山野を駆け巡っていました。

  ところが、そのカリストがいつの間にか大神ゼウスの愛を受け、ゼウスの子を身ごもってしまったから大変です。

「お前のようなニンフは、もういりません!」

  女神アルテミスはゼウスの后ヘラの憎しみもあって、地にひざまずいて許しを乞うカリストに、なくなく呪いの言葉を浴びせました。するとカリストは熊の姿になってしまいました。
  熊の姿になってしまったカリストは、自分が連れていた猟犬達にも吠え立てられ、自分の醜い姿を恥じ、森深くへ逃げていきました。

  その後、十五年の歳月が流れ、カリストの生んだ子供アルカスは、母親と同じ狩人となり、猟のために山奥へ入って狩りをして暮らしていました。そんなある日、アルカスハ森の中でとんでもなく大きな1頭の熊と出会いました。アルカスは立派な獲物に出会った幸運を喜び、弓を手にしました。ところが、この熊はアルカスの母親、カリストの変わり果てた姿でした。カリストはその狩人が自分の子供であることを知ると、嬉しさのあまり声を上げながら走り寄って行きました。
  ところが、両手を広げてアルカスを抱きしめようとするカリストの姿は、アルカスにとっては、ただ襲い掛かってくる大熊としてしか見えません。走り寄る熊が自分の母であるとは知らないアルカスは弓矢を構え、熊の胸に狙いを定めました。その時、

「ああ、なんということか!アルカスに母親殺しの罪を犯させるわけにはいかない・・・」
と、ことの次第をオリンポス山から一部始終見ていたゼウスは、思わず叫びました

そして、さすがにこの母子の運命を哀れに思い、ゼウスはすぐさまアルカスも熊の姿に変えると、強風を起こし、二人を天に巻き上げ、大熊、小熊の星座にしました。
ここで、慌てたゼウスは熊の尻尾を掴んで投げ上げたため、大熊座と小熊座の尻尾が長くなってしまったという説があります。

  ところが、母子が星座になっても気に入らない女神がいました。大神ゼウスの后、ヘラです。
  我慢のできないヘラは、海の神オケアノスとその妻、女神テティスに会いに行き、こう告げました。

「他の星達が日に一度は空を巡って海に入り、一休みできるのは構わない。しかし、あの母子の星座だけは、絶え間なく北の空を巡り続け、一度も休むことができないようにしなさい。」

  こうして、おおぐま座とこぐま座は北の空を一年中回り続けています。

 

[かたち]

α星をポラリスといい、現在の北極星となっています。正式にはラテン名でステラ・ポラリスが略されてできた名前です。また、航海の目印の星であ ることから、ステラ・マリス:Stella Maris(海の星)といいますが、これはローマ・カトリック教会では聖母マリアの象徴名として言われたり、ナヴィガトリア(航海を導く星の意味から)などと言われます。
 この星は、他にも別名があり、キノスラと言いギリシア語の犬の尾という意味の言葉のラテン文字音写で、もともこの星座全体に付けられていたものが、北極星の固有名となったものです。
 日本では「北極さま」「北辰(ほくしん)」(辰は星の意味)、「妙見」などと呼ばれ、いずれも日蓮宗と真言宗の妙見信仰と関連があ るそうです。妙見(みょうけん)すなわち妙見菩薩は北極星の菩薩で、災害から人を守る仏とされ、北斗菩薩とも尊星王とも言われてたそうです。
 それ以外にも「子の星」があり、子は十二支を北から東回りに方角に割り振ったとき、正北に当たることから、これは北の星という意味です。他にも「北の一つ星」、船乗りには「目あ て星」「方角星」、また、「しん星」と呼ばれていました。

 β星はコカブといい、アラビア語のアル・カウカブ・アル・シャマリー(北の星)から、定冠詞アルが脱落してコカブ(星)だけになったものです。
 γ星はフェルカドといい、アラビア語で子牛、子象などを意味するアル・ファルカドが語源といわれβとγを合わせて、アル・ファルカダニ(二匹の子牛)と言い、その場合、βの方をアンワル・アル・ファルカダイン(光った方の子牛)と呼ぶそうです。

 このようにβとγの二つを合わせた名前は世界各地にあ り、英語でthe Guards of the pole(極のガードマン)というのも、日本で「やらいぼし」(矢来は垣のこと)とか、それがなまって「野郎星」といい、また「番の星」などというのも同じような見方です。

 小熊座の七つの星全体を、北斗七星に対する「小北斗」と言います。  

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