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[おおぐま座の神話]

 ここではギリシャ神話でなくその他の神話を紹介します。ギリシャ神話はこぐま座に書くことにします。

北米インディアンの神話その1
 インディアン達は、夜になると森の木々が話をしながら歩き回ると信じていました。
 ある真っ暗な晩のことです。一匹の大熊が自分の寝ぐらの洞窟に帰ろうと急いでいました。しかし、ふと気づくと森の木々があ ちこち動き回り、ぺらぺらとしゃべっています。
 驚いた熊は、そんな木々の間でただうろうろするばかりでした。
 そこに突然、「自分はこの森の大王だ、そんなにうろうろされては目障りだ」と言って、熊の前に立ちふさがる者がいました。それはなんとも大きな樫の木でした。
 熊は慌てて逃げようとしますが、樫の木の森の大王は、いきなり長い枝を伸ばし、熊の尻尾を捕まえました。熊は驚き、もがいては暴れて、それを振り払おうとします。
 しかし、暴れる熊にかんしゃくを起こした森の大王は、熊の尻尾をつかみ、勢い良く空へ投げ上げました。それにより、熊は尾が長く伸びたままの姿で天に引っかかり北斗七星の熊の星座となりました。

北米インディアンの神話その2
 森に狩りへ出かけた三人のインディアン達が、冬眠から覚めて洞窟から寝ぼけたまま出て来た熊に出くわしました。
 三人の狩人は、弓矢を手に熊を追いかけ始めました。熊は捕まりたくない一心で一目散に逃げ出し、春から夏へ、夏から秋へと夢中で逃げ回りました。
 しかし、それでも狩人達はしつこくどこまでも熊を追い続け、やがて秋の頃に熊は崖に突き当たり、逃げ場を失ってしまいました。そして、狩人達は矢を放ち、熊をしとめました。
 この時飛び散った血飛沫が、木々の葉を赤く染めて紅葉しました。
 熊が冬眠から覚めるということは、春先、北東の地平線へ北斗七星が昇り始めた様子で、夏から秋へ北の空を大きく逃げ回り、秋の頃 、北西の地平線低く下がった北斗七星は、熊が崖にぶつかった様子を表しています。

 また、三人の狩人のうち真ん中に位置していたのがミザールで、ミザールは熊を食べるための大鍋を持っていました。それが、夜空で輝く北斗七星の星のひとつのミザール、そしてその側で輝くアルコルが鍋です。(また、熊が出て来た洞窟がかんむり座となっているみたいです)

中国の神話その1
 中国の唐の時代、都に現われた七人の太った赤ら顔の和尚達が、酒屋に立ち寄っては大酒を飲み歩き始めたことが評判になりました。
 毎晩毎晩、酒を飲んでいるので店主は、「和尚様達がそんなに毎晩お酒を召し上がってもよいものですかねえ。修行の妨げではないですか?」や「どこからきたのですか?」などを聞いても、彼らは相手にせず、注がれる酒をがぶがぶ飲んでいたため、すぐに都中に彼らの存在が知れ渡りました。
 ちょうどその頃、夜空を見上げていた宮廷の天文博士達は呆然としていました。
 いつも、北の空に輝いているはずの北斗七星の星々が、全て消えてしまっていたからです。彼らからの奏上で、時の太宗皇帝も訳が分からず考え込んでいましたが、「今、都で評判の七人の和尚達こそが、北斗の精ではないのか」と考えました。
 それはめでたいことだと皇帝は思い、宮廷に呼んで酒を賜ろうと考えました。
 早速使いの者を和尚達の所に送りましたが、その日を境に、七人の和尚達の姿は都からすっかり消えてしまいました。そして、その夜から、再び北斗七星が北の空に輝きだしたと言われています。

中国の神話その2
 中国には、北斗七星を豚の精と考える話があ るそうです。

 天文学や占星術、仙術にも通じていた一行という高僧がいました。
 ある日、一行の寺に老婆が訪ねてきました。?

 「私の息子が無実の人殺しの罪をかけられております。どうか助けてください・・・」

 実は、一行が若い頃 、この老婆に世話になったことがあり、いつか恩返しがしたいと考えていました。しかし、「こればかりは国の掟であ り、私が口ぞえしても法を曲げることはできないでしょう」と、困りながらも断りました。老婆は、恨めしそうに帰って行きました。
 一行はしばらく考え込んでから、寺男を呼び言いました。 ?

 「町外れに、誰も住まない荒れ果てた庭があ ります。そこへ隠れて、日暮れ時に奇妙な豚が現われたら、全て捕まえなさい。」

 寺男が大きな袋を持って庭に身を潜めていると、どこからともなく七匹の豚が現われました。
 寺男はその豚達を全て袋に押し込め、寺へ戻りました。一行は、用意していた大きな瓶に豚を閉じ込め、しっかり封をしました。
 翌朝、玄宗皇帝の使いが大慌てで寺にやってきて、宮中に来るように言われました。一行が宮中へ参上すると、玄宗皇帝が心配そうな顔で言いました。

 「天文博士の話によると、昨夜、いつも見えるはずの北斗の七星が消えてしまったらしい。私のまつりごとに間違いがあ ってのことだろうか・・・?」

 それに対し、一行は

 「それは一大事でございます。誰か無実の者が罪に落し入れられようとするのを、天帝がお怒りになっているのかもしれません。」
と、言いました 。

 一行の言葉により、役人は調べなおしてみると、老婆の息子が無実であ ることが分かり、すぐに解放しました。
 その後、一行は寺に戻り豚を全部放してやると、北斗七星が再び輝きだしました。それで、玄宗皇帝も「天帝のお心が解けたに違いない」と安心したといわれ、かの老婆も一行の取り計らいに感謝したと言われています。
  

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