大きい画像(線有り)
大きい画像(線なし)
天文班トップへ

[かに座の神話]

 ギリシャ神話では、英雄ヘルクレスが行った12の冒険の一つであ る、レルネアの沼地に住むヒドラ退治の際に踏み潰された巨大な蟹です。また、この蟹はヘルクレスを快く思わない女神ヘラが差し向けた刺客で、ヒドラの仲間です。

 ヒドラとは九個の頭を持つ怪物で、ヘルクレスがその頭を何度も切り落としても、その切り口からは新しい首が何度も生えてきたため、さすがのヘルクレスも疲れ果てていました。
 その時、ヒドラに加勢しようと、沼地から這い出してきた大蟹はヘルクレスの足を自慢のハサミで、バチッとはさみました。
 しかし、いかに大蟹のハサミであっても巨人で怪力のヘルクレスにとっては、大したことの無い攻撃でした。ヘルクレスはヒドラとの格闘のどさくさにまぎれて、思いっきり蟹を踏みつけてしまいました。もちろん、蟹はあ っさりペチャンコなってしまいます。ヘルクレスは踏み潰したことにも気づきませんでした。

 女神ヘラは憎いヘルクレスを困らせた「感心な者達」として、ヘルクレスに退治されてしまった蟹をはじめとして、その他にも、ヒドラをうみへび座、人喰いライオンをしし座として夜空に上げました。


[かたち]

 Cancerはラテン名ではカンケル、ドイツ語ではクレプス、英語でキャンサーと言い、どれもガン(癌)の学名と同じです。これは、乳癌の形が蟹の甲羅に似ていることから言われるようになったそうです。
 中国では昔、「積尸気(ししき)」と言い、「死体を積み重ねた所から出る気」のことを意味するそうです。何故かと言うと、今では、かに座の中心のプレセペ星団は星の群れであることが分かっていますが、昔はボーっとした青白い人魂のように見えたからだそうです。

 また、かに座は「」とも呼ばれ、プレセペ星団は死体から立ちのぼる妖気とみて忌み嫌い、かに座のことを死人が地上に残した霊という意味の「鬼宿」と名づけていたそうです。
 
 α星をアクベンス、アラビア語のアル・ズバナー(爪)からきたもので、正式にはズバンアス・サラタン・アル・ジャヌビ(カニの南の爪)。
 β星はアルタルフ、アラビア語で足の先、終点という意味。
 γ星はアセルス・ボレアリス、ラテン語で「北の小さいロバ」という意味。
 δ星はアセルス・アウストラリス、同じくラテン語で「南の小さいロバ」という意味。神話では火の神へーファイストス、酒神ディオニュソスの乗っていたロバで、神々が巨人族と戦ったとき、泣き声で敵を敗走させた功績で星にされたとか、ディオニュソスが精神の病を直してもらうため、大神ゼウスの神殿に助けを求めに出かけた時に、酷い頭痛にあい、川を渡る事のできなくなった彼を、背に乗せて神殿まで送り届けた二匹のロバだという説があります。また、その功績から、かに座にあげられ、飼い葉桶ももらいました。この飼い葉桶とはプレセペ星団のことです。

 イギリスではプレセペ星団のことを、「ビー・バイブ(蜂の巣)」と呼んでいました。
 かに座は古代エジプトでは、神聖なものとされていた「スカラベ(昆虫)」の姿をしていて、チベットではカエルの姿としていたそうです。

  

天文班トップへ