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[ペルセウス座の神話] ちょっと長いです。天文班トップへ

 アルゴスの王アクリシオ スには、娘のダナエしか子供はいませんでした。
どうしても男の子が欲しかった王は、どうすれば良いか神に祈りを捧げました。そこで返ってきた答えは思いもかけないものでした。なんと自分の孫息子に いずれ殺されるというお告げでした。
 アクリシオスは驚き、ダナエを誰とも合わせないように青銅の塔に閉じこめてしまいました。これで安心と思っていた王のもくろみは外れることとなりま す。

 前々からダナエに恋心を 抱いていた大神ゼウスは、黄金の雨となって塔の窓から忍び込み、ダナエの上に降り注ぎ、男の子を産ませてしまいます。それがペルセウスです。塔の中か ら赤ん坊の泣き声を聞いたアクリシオス王は、様子を見に行くと、自分が一番恐れていた孫、しかも男の子がそこにいたため、驚き慌てた王は、ダナエとペ ルセウスを大きな木箱に閉じ込めて、そのまま海へと流してしまいました。
 ゼウスは彼らを海上で死なせたくないと思い、兄弟である海の神ポセイドンに頼んで荒波を鎮ませ、安全に漂流できるようにしました。
 やがてセリフォス島に流れ着き、島の王弟ディクテスに助けられ、彼は、2人を自分の家に連れ帰り養いました。

 こうして、ペルセウスは学問でも武術でも誰にも負けないほどに強く成長しました。

 ある日、ペルセウスは島 の王ポリュデクテスの誕生祝の席に招待されて出かけていきました。しかし、貧しいペルセウスには、他の招待客のように名馬や槍、剣といったような、王 に献上するものが無く、人々は彼をあ ざけりの目を向けていました。
 そこで、ペルセウスは言います。

「私 は、・・・そうですね、あ のメデゥーサの首でも差し上げることにしましょう!」
と。

 王も、他の招待客も、そ の言葉に耳を疑い、あ きれ返ってしまいました。しかし、王はすぐに笑みを浮かべて

「それは すばらしい。それでは早速持ってきてもらうことにしよう」
と馬鹿にしたよう に言い、すぐさまメデゥーサ退治に出かけるように命じました。もともと王は彼の母であるダナエに恋心を抱いていましたがペルセウスの存在が邪魔だった ため、厄介払いのつもりでこんなことを言いました。

 メデゥーサとは、ゴルゴ ン三姉妹の一人、髪の毛は蛇で、しかも、その顔を見たものはあまりの恐ろしさに石になってしまうという怪物です。さすがにペルセウスでも、そのような 怪物に素手で立ち向かえるはずがありません。

 自分の子供が困っている のを見たゼウスは、女神アテナと伝令の神ヘルメスに、ペルセウスの手助けをして欲しいと頼み込みました。
 そこで、アテナは鏡のように磨き上げた楯を、ヘルメスは決して壊れることのない剣を与えました。
まず最初にペルセウスが必要としたものは情報、ゴルゴン三姉妹の居場所でした。そこで彼は、ゴルゴン三姉妹の父親プルキュスの住む国へ向かい、そこで プルキュスの三人の娘を捜し出しました。
 娘といっても生まれた時から髪の毛は真っ白で、目も歯も無く、たった一つの目と歯を代わる代わる3人で使う老婆達(グライアイ 達) です。ペルセウスは彼女達からこれらのアイテムを取り上げ、ゴルゴン達の居場所を教えてくれたら、それらを返すと約束しました。しかし、彼女達はゴル ゴンの居場所を知りませんでした。その代わりに、「ヘスペリデスの三姉妹」なら知っているだろうと言い、居場所を 教えてくれました。その三姉妹は竜座に出てきます。 そこで、ゴルゴンの居場所がようやく分かります。
 また、ヘスペリデス達の手助けにより、「翼のついたサンダル」、「メデゥーサの頭を入れる革袋」、「装着した者を見えなくさせる冥界神ハデスの兜」 を手に入れました。

 ペルセウスはこれらのア イテムを使って、見事にメデゥーサを退治し、首を切り落とし、素早くメデゥーサの首を革袋に入れました。その時のメデゥーサの血が岩にかかり、その岩 の中から天馬ペガススが生まれ、天馬にまたがり、その場を離れることにしました。もちろん他の2人の姉妹達は仇をとろうとしますが、ハデスの兜を身に 着けて、見えなくなっているペルセウスを追うことはできず、悔しがるしかあ りませんでした。

 (ここで、天馬ペガススが生まれることになっていますが、別の神 話、と言ってもこの神話に関係していますが、もう少し後で生まれるとしているものもあ ります。そちらは、アンドロメダで紹介したいと思います。)

 ギリシャ人は神秘の霧に 包まれたはるか西の地域、ジブラルタル海峡のあたりにアトラスが立っていると考えていました。

 アトラスとは天を支えるように命じられた巨人です。ですがそれは、余りにも辛い仕事でした。そんな姿を、ペルセウスはセリフォス島に帰る途中で見た ため、彼を哀れに思いメデゥーサの首で石にしました。これがアフリカにあ るアトラス山脈です。

 さらに、途中でエチオピ アの王女アンドロメダを救出します。ここでの話は、アンドロメダ座に書くことにします。
 
 ペルセウスはこのアンドロメダを妻として、島に帰り、母ダナエの元に向かいますが、ダナエとその母を守ってくれているはずの王弟ディクテスの姿が何 処にも見当たりませんでした。その頃 2人は、ダナエを無理矢理、后にしようとする島の王プリュデクテスに追い回され、その乱暴から逃れるために、祭壇に身を潜めていました。
 事情を知ったペルセウスは、王宮に乗り込むとプリュデクテスと、その家来達の前にメデゥーサの首を差し出しました。
 王も家来も、それを目にしたとたんに、皆、石になってしまいました。

 そして、ディクテスは島 の王となり、ペルセウスは自分を助けてくれた神々に感謝し、借りた宝剣、兜、サンダルなどを返し、メデゥーサの首はアテナに差し出し、天馬ペガススは 自由にしてあ げました。
 そして、数年後にダナエ、アンドロメダとともに祖父のアクリシオス王に会いにアルゴスの国へ帰りました。

 アクリシオスは神のお告 げ通りになるのを恐れ、姿をくらましました。
  しかし、ラリッサの町で行われた競技大会にペルセウスが参加し、円盤を投げましたが、手元が狂い、たまたま観客にまぎれていたアクリシオス王に当たり死んでしまいました。
 殺すつもりなど全く無かったペルセウスは、神のお告げ通りになったことを知ると、深く悲しみ、祖父を手厚く葬ったと言われています。


 ペルセウスは本来なら王の後を継いでアルゴスの王になるはずでしたが、自分が祖父を殺してしまったということから、後を相続することを恥じ、従兄弟 のメガペンテスと領地を交換し、ティーリュンスの支配者となり、アンドロメダと幸せに暮らしたそうです。彼女との間には多くの子供がいますが、最も有 名なのは、ヘルクレスでペルセウスの曾孫に当たります。

 神話なので仕方がないか もしれませんが、いくつかこの辺で矛盾する点があ ります。ヘルクレスはペルセウスの曾孫という説もありますが、ゼウスの息子という説もあ ります。また、竜座の神話を呼んでいただくと分かりますが、ヘルクレスが黄金のリンゴを取りに行くときに石にされたはずのアトラスに出会うことになります。

 

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