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[山羊座の神話] 

  やぎ座の山羊は、普通の山羊とは違い、頭は山羊で下半身が魚になっていま す。
  この山羊は、森 と羊と羊飼いの神、牧羊神パンであるとされています。パンは「アルカディアの山羊」とも呼ばれます。パンは、ギリシャのドリュオ プス王の娘ドリュオペと、ヘルメスの子供です。しかし、その思いがけない姿に、母親は気を失ってしまいました。ヘルメスは野うさ ぎの皮に包んで、オリュンポスの神殿に行き、神々に自分の子供を見せました。全ての神々はその姿を喜び、中でも酒の神ディオニュ ソスは、大変気に入り、「すべて」という意味の「パン」という名前をつけました。彼の吹く笛は「パンのパイプ」とも言われるそう です。

  パンは頭に山羊の角と毛の生えたとがった耳、上半身は人間、下半身は山羊という姿をしていました。彼は山羊のように身軽 で、いつも夕暮れになると、仲間のサチュロス達と森や岩山を駆け巡り、時々、森や谷川に住む妖精ニンフ達と追いかけっこをしたり、葦(あ し)の葉で作ったシュリンクスという笛を吹いて、、踊り遊び暮らしていました。
  そんなある日、神々がナイル川の岸辺で宴会を開いた時も、パンは早速出かけ、得意の笛を吹いて踊り、神々を楽しませていました。

  しかし、そこに突然、うなり声を上げながら、宴会中の神々に襲い掛かってきた怪物がいました。
  ギリシャ神話の中でも特に恐れられていた、テュフォンです。テュフォンは100もの頭があ り、西から東の空を覆うほど巨大であり、目と口から火を吐き、あの大神ゼウスですらももてあ ましていた怪物です。
 
 「助けてくれ〜」

  驚いた神々は、思い思いの姿に変身し、われ先にと逃げ出してしまいました。
  パンも素早く魚に姿を変えると、川に飛びこびました。しかし、あまりに慌てていた為、上手に変身できず、水に浸かった部分だけ(下半身) が魚に変わり、上半身が山羊のままという、まぬけな姿で逃げることになってしまいました。

  「あはははは! おかっしい〜」

  神々は、あ まりに可笑しく笑い転げました。大神ゼウスも可笑しくて、この記念にと、パンのその姿をやぎ座として星空に上げました。

 

 

[かたち]

   星座の作られて中近東のあたりでは、やぎ座が太陽 (の南の門・・・黄道で最も低い時に来るときが、この星座の位置です)の付近にくると、雨季になるので、やぎ 座付近から、地中海に半身を浸すおうし座のあたりまで、水に関わりのある星座が黄道沿いに並んだと考えられています。

  今からおよそ2000年前には、黄道の冬至点がこのやぎ座にありました。太陽が最も南に低く 下がる黄道の一番南よりに位置する星座です。
  紀元前125年ごろのヒッパルコスの時代で は、冬至の日に太陽がこのやぎ座に位置し、その後、再び高くなって光を増してくることから、太 陽の南の門と呼んで、吉兆の星座としました。
  現在は、冬至点は、地球歳 差運動により、いて座に移動していますが、黄道12宮が作られた名残から、冬 至点のことを、「山羊宮の原点、磨羯宮の原点」と呼ぶそうです。また、地球上で冬至点の直下にあ たる南回帰線のことを、Tropic of Capricorn(山羊宮の回帰線)と呼んでいるそうです。


 α 星:アルゲディ・・・アラビア語のアル・ジャディ(子山羊)が語源で、アルギエディとも綴るそうです。これは肉眼で見分けられる二重星で、 区別するときは、α1、α2、固有名はプリマ(第一の)・ギエティ、セクンダ(第二の)・ギエティ。

 β星:ダビー   ・・・アラビア語のアル・サド・アル・ダビーが語源で、意味は肉屋の守り星とか、犠牲として捧げる羊などの屠殺(とさつ)する者 の守り星)。本来は、α、β両星を含む、アラビアの第22星宿の名前だったそうですがβ星の固有名になりました。この星 も肉眼的重星で、ダビー・マイヨル(大きいほうの)、ダビー・ミノル(小さいほうの)。

 γ星: ナシラ   ・・・アラビア語のアル・サダル・ナシラが語源で、夏の終わりの草原(緑野)の守り星という意味。これは本来、γとδに与えら れた名前であり、また、「幸運をもたらすもの」の意味とする説もあるそうです。

 δ星: デネブ・アルゲティ・・・アラビア語のアル・ダナブ・アル・ジャディが語源で、意味は山羊の尾。

 

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